診療科・部門
心療内科・精神科
当院では精神病・ストレス症状・認知症などの精神疾患に、幅広く対応した専門のスタッフを抱え、患者さんの心や意思に寄り添った医療を提供しています。
医師をはじめ、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士が協力して、患者さん一人ひとりを全人的に理解し、身体の状況、心理的因果関係、取り巻く環境などを統合的に把握し、患者さん一人ひとりに最善の治療を推奨できるように努めています。

主な対象疾患
統合失調症 |
統合失調症は、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患で、その原因は脳の機能にあると考えられています。約100 人に1 人がかかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。薬や精神科リハビリテーションなどの治療によって回復することができます。 |
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うつ病 |
うつ病とは、日常生活に強い影響が出るほどの気分の落ち込みが続いたり、何事にも意欲や喜びを持ったりすることができなくなる病気です。また、仕事や日常生活に支障をきたすほど強い症状が現れるのもうつ病の特徴です。 |
双極性障害 |
双極性障害は気分が高まったり落ち込んだり、躁状態(気分の高まり)とうつ状態(気分の落ち込み)を繰り返す脳の病気です。激しい躁状態とうつ状態のある双極I型と、軽い躁的な状態(軽躁状態)とうつ状態のある双極Ⅱ型があります。 |
認知症 |
「認知症」とは一つの病名を示しているのではなく、脳の病気や障害などによって、記憶や思考などの認知機能が持続的に低下する症状や状態の総称です。原因や症状別に「アルツハイマー型認知症」や、「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」「血管性認知症」などの種類があります。認知症は一般的に高齢者がなりやすいものですが、若年層で発症するケースもあり、65歳未満で発症した場合を「若年性認知症」といいます。 |
最近、気になる
こんな症状はありませんか?
- 気分が落ち込む
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- やる気がおきない
- 疲れやすい
- 集中力がなくなった
- 会社や学校に行きたくない
- 不安で落ち着かない
- 睡眠障害
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- 眠れない
- 眠りが浅くて、熟睡した気がしない
- 夜中に目覚める
- 日中に強い眠気を感じる
- しっかり寝ていても眠い
- 身体の不調
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- 体調がすぐれず病院で検査を受けたが、異常がなかった
- 体調の不調が続き、精神的に落ち込む
- 食欲の低下
- 情緒不安定
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- 気分の波が激しい
- イライラする、怒りっぽくなった
- 理由もなく涙が出る
- 人混みで気分が悪くなる
- 認知機能の低下
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- 物の名前が出てこない
- 置き忘れやしまい忘れが目立つ
- 慣れている道で迷った
- なにを食べたか思い出せない
- 同じことを言ったり聞いたりする
治療方法について
薬物療法
医師の発行した処方箋に基づき、薬の量、服用方法、飲み合わせ、患者さんの状態や臨床検査値などを確認して調剤を行います。処方内容を評価し、必要に応じた最適な薬物療法の提供に努めています。
また複数の薬を服用方法ごとに一包化し、患者さんが正しく服用できるよう対応しています。
精神療法
「精神療法」は、医師が「言葉」によって患者さんとやり取りする中で、患者さんの置かれた状況や状態を整理して問題点を抽出し、問題点に対する対処法を患者さんとともに考えていくことで、苦痛の軽減や生活の改善を図る治療法のことです。また、医師の指示のもと、臨床心理士による心理検査、個人・集団への各種心理療法を実施しています。
作業療法
当院では、入院・外来通院中の患者さんに対し治療の一環として精神科作業療法を行っています。作業活動や人とのかかわりを通して自信の回復や集中力の向上、さらにはその人らしい充実した生活を送れるようそれぞれの個性に目を向けて支援しています。また、入院後早期から治療を提供しており、退院後にわたる包括的な支援を念頭に他部署との連携を強化しています。
生活機能回復訓練(認知症治療病棟)
歯磨きや整容、トイレの動作など日常生活に必要な機能を維持、改善を図る訓練を行い、またカラオケや塗り絵などを行うことで脳の活性化や心身に安定をもたらします。このように日常生活に必要な機能・回復の訓練を認知症治療病棟へ入院中の患者さんを対象として行っております。
よくある質問
- 精神科のリハビリテーションとは何ですか?
- 精神科のリハビリテーションは、心の病を抱える人々が自立した日常生活を送るためのスキルを回復、維持、向上させるためのプロセスです。生活スキルの訓練、社会的スキルの向上、などが含まれます。
- 精神疾患の治療にはどれくらいの期間が必要ですか?
- 精神疾患の治療期間は、患者さんの病状や治療の反応によります。一部の人々には短期間で改善が見られることもありますが、長期的な管理が必要な場合もあります。具体的な治療計画については医師とのカウンセリングを通じて話し合っていただきます。
- 精神科の治療は薬だけですか?
- 薬物療法は精神疾患の治療に重要な要素ですが、それだけではありません。心理療法、認知行動療法、リハビリテーションなど、患者さんの症状やライフスタイルに合わせた多角的なアプローチが必要です。
- 精神科の診療は保険が適用されますか?
- 当院の精神科診療は、ほとんどの保険が適用されます。
ただし、具体的な保険適用については保険の種類やプランによるため、詳細はお問い合わせください。 - 精神疾患の症状があると思ったらどうしたらいいですか?
- 精神疾患の症状を感じた場合、まずは当院のソーシャルワーカー(精神保健福祉士)宛にお電話をお願いしております。医療相談のプロが患者さんの症状を丁寧にヒアリングし、今後の治療計画を医師を含めチーム医療でサポートしていきます。
- 精神疾患の患者さんは入院が必要ですか?
- 入院が必要かどうかは、患者さんの病状や治療の進行によります。精神症状や認知症、安全に配慮が必要な場合、また緊張、不安、気分の落ち込みなどのストレス症状でも入院を推奨することがあります。入院診断になった場合でも様々な病状に対処できるよう、当院には300床の病床があります。