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2024.12.02
川添ニュース
病院に出張シェフ?!(イベント食:3病棟)
「病院食とは考えられないくらいのクオリティ。このアイデアを考えた人は凄いと思います。ソースも色々あって、味変もできて、気配りが感じられます。」(ストレスケア病棟男性)
「普段、栄養と思って食べている食事とは雰囲気が違って、食事を楽しんでいます♪揚げたてで、うずらの卵は危険なくらい熱々なので、割って冷まして食べました(笑)」(3病棟女性)
「味覚だけでなく、五感で食事を楽しんで欲しい」
栄養士の患者さんを思うそんな気持ちから、アイデアが光る、新たな企画が実現しました。それは、揚げ物の実演提供です。美味しさの要はもちろん味ですが、見た目、かおり、温度、口触りなど他の感覚も味わいに深く関わっています。まさに、美味しさは五感のコラボレーション。揚げ物でいえば、ジュワ~、パチパチといった独特の音、揚げたての香ばしいかおり、きれいなキツネ色、口にしたときのアツアツ感やサクサク食感など。今回、患者さんの目の前で実演し提供することで、患者さん一人一人の五感を刺激し、より食事を楽しんでもらいたいと企画されました。
さて、そんなアイデアを実際にかたちにする出張シェフ?!は、院内食事提供の委託業者である株式会社レオックのスタッフ。美味しい物を作ることへの情熱とこだわりは人一倍強い方です。
「安全性を考えて、厨房で使用する鍋より小さな鍋を使用しました。食材を入れると想定していたより油の温度が下がったため、少しずつ揚げて、カリッとした食感を損なわないよう工夫しました。食材によって揚げ時間が違うので、芋など長く加熱すると美味しくなるものを先に入れて、できるだけ同時に提供できるように気を配りました。患者さんのリアクションを直に感じる事ができて、とても楽しく調理できました。」と相好を崩しながら語るスタッフの言葉には、職人としての高い矜持が感じられました。
揚げたての串カツが次々とお皿に運ばれてくる様は、串揚げ店そのもの。
事務長は「揚げ具合がよく、お店より美味しかったです。ご飯と一緒に食べたら満腹になりますね。」と笑顔で食事を楽しんでいました。
食べる事が好きな看護部長は「エビフライは揚げ過ぎたらパサパサになり失敗しがち。中はプリプリで外はカリッと揚がっていて、揚げ具合がとても良かったです。」と満足顔で調理スタッフに感想を述べていました。
作業療法士は「熱々で最高でした!3種類のソースが選べるのが良かったです。オーロラソースに少し辛子が入っていて、それがアクセントになっており、とても美味しく頂きました。」と言いながら、イカフライを美味しそうに頬張る姿が印象的でした。
揚げたてで熱々、中の具材は歯が無くても食べられるほどの柔らかさ。
チーズ好きの私は、ささみチーズが一押し。熱々のチーズが口の中に溶けだし濃厚なチーズの味が口いっぱいに広がります。舌が火傷しそうなくらいの揚げたてを、フーフーしながら口に運び、空腹の胃を温かくてボリュームのある揚げ物が満たしてくれる。そんな至福の時間を、病院で体験できるとは思ってもいませんでした。
今回も、病院食のイメージをいい意味で壊したイベント食。
“患者さんに食を楽しんで欲しい”と言う栄養士の追求は、止む事がありません。
次のイベント食も楽しみです。(M.M)