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2025.04.25
川添ニュース
【川添スタッフ:ソーシャルワーカー編①】患者さん、ご家族のために…
今回は、地域医療連携室でソーシャルワーカーとして働いているスタッフのご紹介です。
半面、ゆっくり話を聞いて欲しいという患者さんやご家族のお気持ちに寄り添う事も大切です。そんな両面のバランスをどうとっていくかを問われるなか、いつも優しく穏やかに、患者さんやご家族のペースに合わせて対応している姿が印象的なスタッフに、ソーシャルワーカーの仕事についてたずねました。
*仕事のポリシー
ー患者さんのためになっているのか、ご家族のためになっているのかー
病院で働いていて、能率的に働くスタッフ、ゆっくり話を聞いてくれるスタッフなど、色々なタイプのスタッフが必要だと感じています。私はゆっくり患者さんや家族のペースに合わせて話を聞くことが得意ですし、それを心がけています。スピード感が求められる時は、迅速な対応ができるスタッフへ引き継ぐことで、患者さんやご家族のニーズに応えています。
患者さんと話をする時は、どうして入院したいのか、どうして退院したいのか、どうして退院したくないのかなど…しっかり気持ちを受け止めて、それが本当に当事者のためになっているのかを考えながら仕事をしています。
そのような支援を目指すようになったきっかけは、研修会で聞いた話でした。
それはある病院でのこと。退院を拒み続けて長期入院をされている患者さんについてでした。スタッフは対応に苦慮していましたが、そんなある日、担当ケースワーカーが患者さんから思いもよらない本音を聞き出しました。「病院で提供されるロールケーキを食べ続けたい。」つまり、その患者さんにとって、退院後の自分らしい生活のイメージが好きな物を好きなだけ食べることだったのです。この患者さんの『その人らしさ』を支援者間で共有できたことを皮切りに、退院支援が進みました。患者さんは退院後も同じロールケーキを購入できる場所を知り、安心して退院されたそうです。このお話は、ご本人の気持ちに寄り添う事の大切さを強く教えてくれた印象的なエピソードでした。
*職場環境について
ー人間関係の良さが一番の魅力ですー
多職種間の意思疎通が良好で、忙しい時は声をかけあって仕事を分担したりと、協力的です。
ソーシャルワーカー業務も、スタッフ自身の希望や仕事のスタイルによって担当病棟を割り当てられているので、無理なく働くことができています。
また海や山が近くにあることも、魅力の一つです。運転中も自然を眺めながら出勤できるので、1時間の通勤時間も苦になりません。
*仕事をしていて良かったこと、大変なこと。
ー良かったことー
なかなか入院先が決まらず心配されていた患者さんのご家族が、ようやく入院できたことに安心されたこと。診察中、泣かれている姿を見た時に、お力になれて良かったと思いました。
ー大変なことー
書類など事務的な作業が多いときに、患者さんとゆっくり話す時間がつくれないことです。
*今後の目標
ー今以上に信頼関係をつくっていきたいー
そのためには今やっている事務的な仕事の精度とスピードを上げて、時間を確保していきたいです。社会資源など業務に活きる知識をより深め、十分な情報をお伝えすることで、患者さんやご家族が納得するかたちで選択していただき、退院を楽しみにしてもらえるような支援をしたいです。
今回のインタビューをとおして、普段はどこか牧歌的な雰囲気を感じさせる彼とは打って変わって、仕事に対する強い信念が感じられました。
そんな彼が、福祉の道を歩み始めたきっかけは、1冊の本との出会いだったそうです。
次回は、彼の人生に影響を与えた本と、仕事の原動力に迫っていきたいと思います。(M.M)