今月のイベント食は、患者さんが特に楽しみにされている「クリスマスケーキ」です。デザート作りを得意とする調理スタッフが、9時間もの時間をかけて一つひとつ丁寧に仕上げたケーキは、専門店にも引けを取らないクオリティ。毎年、患者さんから大変好評をいただいています。今年は、特に人気の高いチョコレートケーキを提供しました。

クリスマスケーキを心待ちにされている患者さんは多く、今年も例外ではありません。
ある病棟の患者さんが、イベント食を迎える前に退院されることになりました。本来、喜ばしいことですが、その患者さんは「クリスマスケーキをとても楽しみにしていたけれど、食べられずに退院するのが残念です。」と栄養士に話されたそうです。その栄養士はイベント食をそんなに楽しみにしていくれていることに感じ入り、ある計画を思いつきました。それは、退院前にイベント食をお届けするサプライズです。「入院中の思い出として、クリスマスケーキを食べたという楽しみを持ち帰ってほしい」という一心からでした。

サプライズ当日、何も知らされていない患者さんのお部屋にケーキをお持ちした瞬間の驚き、そして目を輝かせた満面の笑顔がとても印象的でした。サプライズ後にお気持ちを伺うと、次のような感想を聞かせてくださいました。
「病院のイベント食は毎月とても楽しみにしていました。スイーツが大好きなので、今月はどんなケーキが出るのだろうとワクワクしていました。本当においしくて、既製品ではないことがすぐに分かります。イチゴのムースは、まさに“イチゴ”。すごいイチゴです。これは他の患者さんもきっと喜ばれると思います。」
患者さんの言葉から、イベント食に込めた想いがしっかりと届いたように感じられました。この出来事が、患者さんの入院生活の中の温かな思い出の一コマとなっていれば、これほど嬉しいことはありません。

これからも私たちは、患者さん一人ひとりの気持ちに寄り添い、心に残るケアを大切にしていきたいと考えています。

イベント食の様子はInstagramでもご紹介しております。是非ご覧ください。(M.M)