2026.06.08

川添ニュース

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出前講座『マイエンディングノート』

出前講座の様子
 「エンディングノート」をご存じでしょうか。万一のときに備えて、自分の思いを記したものです。エンディングとありますが、なにも亡くなったときだけを想定したものではありません。突然の病気や事故で、意思表示が難しくなったときも含まれます。「これからどのような医療や介護を受けたいか」、「どのように暮らしていきたいか」、「人生の最期をどのように迎えたいか」…そんな自分自身の思いや希望を整理し、家族や医療・介護スタッフと共有しておくための大切な取り組みです。そのため「人生会議」と呼ばれることもあります。今回の出前講座では、この「エンディングノート」の作成を行いました。

近年の高齢化に伴って「本人の意思確認」が難しい場面が増えています。認知症により思考力や判断力が低下したときはその代表例です。また、脳梗塞などの病気や突然の事故で、ある日突然、意思表示できなくなることもあります。一方で、独居高齢者の増加といった家族形態の変化の影響も見逃せません。健康なうちに意思表示しておこうと思ってもその相手となる家族がそばにいなかったり、話をする機会がなかったりすれば、事前の意思表示はやはり困難です。

当院でも療養病棟で患者さんをお見送りする場面に立ち会うなか、患者さんがどのように過ごしたかったのか、どんな思いをもっていたのかが分からず、迷われるご家族の姿を目にすることがあります。そんなとき、もしご本人が記されたエンディングノートがあれば、ご本人の思いに寄り添った選択をする有用な一助となるでしょう。

エンディングノートに記入するうえで大切なのは、医療や介護の希望だけではありません。好きな音楽や食べ物といった趣味や嗜好を書き残しておけば、、将来介護を受ける場面で、その人らしい関わりにつながることもあります。

また近年では、「デジタル遺品」も大切なテーマとなっています。スマートフォンの写真やデータ、ネットバンク、電子決済、各種サブスクリプションサービスなど…契約中のサービスやパスワードの管理場所を書き出しておくことは、いざという時、ご家族の負担軽減に寄与します。

このように有用なものとはいっても、自身の人生の閉じ方について考えるのは、やはりどうしても避けたくなるもの。「まだ早い」、「縁起でもない」と感じる方も少なからずいらっしゃいます。

しかし一方で、「いざという時に家族に負担をかけたくない」、「必要だと思っていた」という声も多く、最近では比較的若い世代でもエンディングノートに関心をもつ方が増えています。

今回、講座を担当したスタッフは、「価値観は人それぞれ。正解がないからこそ、相手の思いを尊重する」ことを進行上留意したと言います。
さらに、多くの方が「何を書けばいいのかわからない」、「全部きちんと書かなければいけない気がする」、「なんだか面倒そう」という気持ちをもたれていると思います。そのため講座では、「全部埋めなくても大丈夫」「何度でも書き直していい」とハードルを下げて、“最初の一歩を踏み出すこと”を目標にしたそうです。

なお講座では、福岡市が終活応援セミナーで使用しているエンディングノートを活用させていただきました。この用紙は福岡市のホームページでもダウンロードすることができますが、とても分かりやすい内容となっており、使いやすいと好評でした。

参加された方からは、
「漠然としていた“もしもの不安”が整理できて安心しました」
「家族に負担をかけたくないという気持ちが少し軽くなりました」
といった声が聞かれました。
なかには、エンディングノートが“今の生き方”を見つめ直すきっかけになり、
「趣味を再開しようと思います」
「健康を意識した生活をしようと思います」
と未来に対して前向きな言葉が聞かれました。

このようにエンディングノートは、自分らしく生きる設計書でもあります。是非みなさんもエンディングノートの作成に挑戦されてはいかがでしょうか。

なお、講座の様子はInstagramでもご紹介しております。是非、ご覧ください。

 
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